お銀の部屋から法務担当が出て来た。
めったにある事ではない。

ネズミ男は連続して休み。
俺のメールボックスには奴の診断書とPCの
パスワードを記した文章が添付されたメールが
届いている。
とうとうメンタルまで逝っちまった。

夜、法務担当からメールが来た。
ハロワで書類が通過した企業の面接敗戦の
知らせと、お銀がネズミ男を見限ったと
書いてあった。
お銀が見限ったって、俺よりはまだましだ。

しかし次報で合点がいった。
どうやら黄門様が見切りをつけたらしい。
流石はミズ風見鶏。
あっという間の方向転換。

それにしても間が悪い事にお銀にも診断書を
送っていると言う。
一番信じちゃいけない奴に実弾の入ったハジキを
渡しちまった様なもんだ。
むしろ奴はそれが狙いか…

これで、何時・どう居なくなるのかは判らんが
また、俺が黄門様のお相手をする事になるのは
確かな事だ。
八兵衛のにがり切った顔が目に浮かぶ。

まぁそうして次は俺がメンタルぶっ壊されて、
社を去る事になるのだろう。

一年前…
格さんを追い出す為に雇われたが、所詮は
素人に過ぎない。
職歴書の見方が判らん連中とヘッドハンターと
言う名の奴隷商人が代わりを連れて来るまで
俺はメンタルをやられない様にしなくちゃならん。

勿論、次に逃げられればそれに越した事は
ないんだけどね！

[0回]