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第二関門
取締役会。
ここの会社じゃ略して役会。
読み方は「やっかい」。
正に厄介。

中身は無いけどガワは大会社。
社外取締役も多数来る。

取締役会は勿論、総務部の所管だ。
しかし総務部長がコロコロ替わるから、
俺に振られる事が多い。
今は弥七が議事進行役。
はっきり言って腰は重い。

定刻になろうと言うのに一人の社外取締役が
未着。
弥七が動かないから俺が入り口まで迎えに
行った。
暫くするとお銀がこちらに走って来る。
黄門様は既に着座との事。
大急ぎで会議室へ戻る。

ノックをして部屋に入るや痛い程の視線を
集める。
俺ってこんなに人気者だったっけ?
弥七は涼しい顔で議事進行の挨拶を始める。
ちょっと待て!俺の呼吸はどうしてくれる?
第一報告事項は俺のパート。
騙し騙し原稿を読み上げるが最後の方は
息も絶え絶え…
つっかえながらもなんとかフィニッシュ。
後は弥七が閉会を宣言するのを待つばかり。

と、大株主から来ている社外取締役から
手が上がった。
緊張が走る。
黄門様も怪訝な表情をしている。
内容は来年の消費税増税に関わる事だった。

黄門様もなんだそんな事かと鷹揚に頷き、
何故かお取引先から来ている他の社外取締役に
意見を求めた。

半分寝かかっていた、その取締役は多分
忘年会続きで疲れもピークだったのだろう。
そして消費税関連についての質問も聞いて
いなかった様だった。

そもそもここの取締役会は毎回意見交換も
無くあっという間に終わるのが常だ。
あっても質問に応えるのは報告者として
出席している幹部社員の守備範囲だ。
黄門様の気遣いかはたまた牽制球なのか…
悲劇はそこから始まった。

ご指名の取締役は流石にご自分で社を率いて
いらっしゃるだけあって、何かを話さなければ
ならない事は察知した。
そして、質問の趣旨とは全く関係の無い事を
話始めた。
話始めると長い。
こんなに話の長い人とは思わなかった(笑)
昨晩の酒が戻って来たのか10分を過ぎた辺り
からは支離滅裂になって来た。
参加者は誰も止めない。
唖然とした時間だけが流れる。
20分して漸く止まった。

黄門様は質問者に向かい「おわかりいただけ
ましたでしょうか?」
と睨み付けていたのが笑えた。
質問者は「良くわかりました。」って何が
わかったんかね(笑)

頃合い良く、弥七が閉会を告げ年末の挨拶を
発声した。
参加者一同、救われたが如く年末の挨拶を
唱和して参会となった。
今日は弥七の日だったな(笑)

席に戻るとウマちゃんが心配気に俺を見る。
「長かったですね。大丈夫でしたか?」
苦笑いの後、無事終了を告げた。
第二関門も突破した様だ。

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【2013/12/26 09:19 】 | 未選択 | 有り難いご意見(0)
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